偽りの5年間

自慢の妻

自分にはもったいない美人だと思っていました。

私は、平凡な容姿、普通の会社、平均的な収入です。

でも、妻だけは、誰にでも自慢できました。

美しい自慢の妻

同僚や知り合いからも、

「奥さん、キレイですね」とよく言われ、

それが嬉しくてたまりませんでした。

街を歩いていても、たまに男性の視線を感じます。

妻を、妻の美しさを見ているのだと感じ、私は幸せでした。

妻の昔のアルバム、その姿は今とは対照的

ある日、家で、昔に使ってどこかに片付けてしまった仕事の資料を探していると、偶然、妻の卒業アルバムを見つけました。

小学生の妻は、田舎の素朴な女の子でした。

中学生の妻は、まだまだ、色気のない子供っぽい雰囲気。

そして、高校生の妻も、やぼったいまま。

顔のパーツが違う…違和感を覚える

最初は、よくこんな女の子が、あんなにキレイになったものだと思いましたが、どうも妙なのです。

目が一重から二重に変化するくらいは、まあ、あるかも知れませんが、

歯並びやあごのラインまで、違うような気が……。

しかし、それ以上は考えないようにして、卒業アルバムは、そっとしまっておきました。

偽りの美しさに疑いが膨らみ詰問

それからは、毎日、妻の顔を見るたびに、

卒業アルバムの顔と重なってしまって、

疑いは膨らむばかりでした。

ついには我慢できずに、妻に詰問すると、あっさり、整形で美人になったことを白状しました。

開き直る妻と離婚

妻は、開き直り、

「いいじゃない。いまはキレイなんだから」と。

妻の言う通り、いまの彼女がキレイであれば、私は満足でした。

最初に、せめて結婚する前に告白してくれていれば、ショックを受けたかも知れませんが、私はその事実を受け入れたと思います。

許せないのは、嘘をつかれたことです。

結婚前から考えると、5年以上も騙されていたことになります。

言いにくいのは理解できますが、それでも結婚するのなら、思い切って言ってほしかったと思えてなりません。

隠していたということよりも、信頼されていないかったことが辛かったのです。

告白してくれていたら、

「整形だって、キミはキミだよ」と言ってあげられたかも知れないのに……。

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