第2章 いなくなってから1週間までの行動 ~後編~

未成年者などのプチ家出や、成人でも家出を何度も繰り返している場合など、ご家族の方は「今回もしばらくすれば帰ってくる」と考えがちです。

特に、未成年者のプチ家出(定期的に短期に渡って家出をするケース)の場合、1週間、2週間と家出の期間も短く、ご両親やご兄弟などとも携帯電話で連絡を取り合ったりすることも多いため、「家出」ととらえる方が少ないのです。

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しかし、連絡が取れているから安心していいのでしょうか?
こういったケースの場合、その安心感からか、警察へ捜索願を出さずにいるご家族が多いのですが、危険にさらされていることに変わりはありません。

特に未成年者の場合、家出を繰り返しているうちに、非行や犯罪に手を染めるケースも多く、お金欲しさに援助交際に走るケースも珍しくありません。

最近ではインターネット環境が整い、携帯電話が爆発的に普及したことにより、「出会い系サイト」に関連した事件が多発しています。その被害者の大半が、18歳未満の児童なのです。

また、平成15年度の家出人捜索願を受理したデータの統計によれば、60歳以上の高齢者の家出が15%に対し、19歳以下の未成年の場合、全体の30%にも上っています。

さらにショックなのは、所在が確認できなかった家出人のうち、50%は亡くなられた後に発見されているのです。もちろん、犯罪に巻き込まれたケースもありますが、50%の中の半数以上は自殺が占めています。

しかも、そのほとんどは、捜索願が受理されてから3カ月以内に亡くなられて発見されているのです。

とにかく、迅速に捜索願を出していれば、発見された場合にもご家族に連絡がいきますので、どんなケースであったとしても、ご家族の誰かが突然姿を消した場合、すぐに捜索願を出すことをおすすめします。

未成年者の家出原因

未成年者の家出に関しては、その原因は「両親が厳しすぎる」「家族がバラバラで寂しい」「兄弟姉妹と差別される」などといった、ご家族への不満が多いのです。

ですので、根本的な問題を解決しない限りは、一度は連れ戻せたとしても、再び家出をする可能性は残ってしまいます。

警察官はもとより、私たちのような調査員はなおさらのこと、家出をされた本人が成人の場合、強制的に連れ戻すことはできません。

仮に未成年者のように、強制的に連れ戻したとしても、家出の原因が取り除かれない限りは、本当の意味で解決したとは言えません。

本人と連絡が取れたり、本人が戻ってきたとしたら、まずは相手の気持ちを理解するよう努力が必要です。

つまり、見つけ出すことは大事なことですが、根本的に家出の原因を解決することはさらに大事だということを忘れないでほしいのです。

また、彰男さんのように、家出人が独身者だった場合、ご家族は「元気なことがわかればいい」と考える方もいらっしゃいます。

ただし、どんな生活を送っているのか、本当に安全な状況で暮らしているのかなどの心配もあります。

こういったケースでは、家出・失踪調査から「素行調査」に切り替え、生活状況などを調査することもあります。
いずれにせよ、家出をした本人の気持ちを理解することが大切なのです。

-いなくなってから1週間までにすること②ー

★いなくなったことがわかったらすぐに捜索願を出す!
【理由】
捜索願が受理されると、警察のデータベースに登録される
ため、交通取り締まりや職務質問、事件や事故にあった時
などにも、警察から連絡がある確率が高くなる。

痕跡を探ること

その3.痕跡を探ること

大切な家族が姿を消してから、1週間以内にあなたがやるべきことの3番目は「痕跡を探る」ということです。

「すぐに帰ると思わないこと」の項目でも書きましたが、本人がなぜ家出をし、どこに行ったのか、どうしているのかをなどの痕跡を探りましょう。

「ゴミを捨てる」「部屋の掃除をする」「パソコンをむやみに操作する」など、ほんの些細なあなたの行動が、実は貴重な情報源を消し去ってしまうことになるのです。

繰り返しになるかもしれませんが、痕跡を探る際には、特に「ゴミは絶対にすてない」「パソコンはやたらにいじらない」の2点に、くれぐれも注意して行いましょう。

■ゴミは絶対に捨てない!

本人がいなくなりご家族が部屋に入ったときに、ゴミは絶対に捨てないでください。これは、ご家族みなさんで徹底してください。

レシートやお菓子の箱、弁当の空容器をはじめ、使った後のはしやタバコの吸い殻も捨てないでください。
残っているはしや吸い殻の本数も、調査の貴重な手掛かりになります。

もちろん、本人の車が置いてあったなら、車の中のゴミも絶対に捨てないでください。

家を出る直前まで車で過ごした痕跡や、家出のための協力者(友人など)と車の中で話した可能性もあります。こういった情報が、残されているゴミから推測できることもたくさんあるのです。

まして、部屋を掃除するなどは言語道断。一刻も早く見つかってほしいと願うご家族の方が、自ら調査の手掛かりとなる重要な痕跡を消していることになります。

パソコンはやたらにいじらない!

■パソコンはやたらにいじらない!

パソコンについても同様です。
「メールで誰かとやり取りしていたのでは?」などと思い、慣れない人がパソコンを操作しているうちに、その方の意思に関係なく、貴重なデータを消去してしまう可能性もあります。

本人が家を出る前に故意に消去したり、ご家族の方がパソコンを不用意に操作して削除されない限り、通常、パソコンにはサイトの閲覧履歴が残っています。
そこには、家出前に宿泊先となるホテルなどを検索している可能性もあります。

家出のつもりで、二度と家に戻らない覚悟をしていたのなら、アパートなどを借りために不動産屋のサイトなどを見ている可能性もあります。

これらの情報は、かなり有力な手掛かりともなり得ます。
我々は、パソコンを操作する際には、必ず最初にバックアップを別のハードディスクに保存してから作業を行いますので、データが消えてしまう可能性はかなり低いといえます。

ただし、調査を依頼する前に、パソコンを操作する必要性が発生した場合は、友人・知人などでパソコンに詳しい方にお願いしたほうがいいでしょう。

また、彰男さんの場合、パソコンをバラバラに分解し、ハードディスクを外して家を出ています。また、キャッシュカードは持って行きましたが、携帯電話は置いて行っています。

特に若い子の間では、携帯電話はお金と同じぐらい、いいえ、お金よりも大事なモノとなっています。

ほとんどの場合、携帯を持って家出をしますが、中には彰男さんのように携帯を部屋に置いたままのケースもあります。

だとすれば、携帯を置いていったのには、どんな意味があるのでしょうか?
忘れていった可能性を排除すれば、そこには必ず意味があります。

別の携帯を用意してカモフラージュしている可能性もあります。
また、携帯を置いていくことで、家族や関係者に「決別」というメッセージを伝えている可能性もあります。

もちろん、携帯の中の電話番号や保存されている画像などは重要な手掛かりとなりますが、一番考えなくてはならないのは、大切な携帯を置いていった意味なのです。

部屋の中をもう一度見る

同じような視点で、部屋の中をもう一度見てみましょう。

「あるべき場所に、あるべき物がない」
「あるはずのない場所に、あるはずのない物がある」

じっくりと部屋の中を見回し、冷静に分析してみてください。

見たことのないような服やカバン、靴などはありませんか?
本棚や机の上、テーブルの下などに、雑誌や本がありませんか?
それはどんな内容のものでしょうか?
レシートはありませんか?
そこには、どんな物を購入したか記録されていますか?
メモなどに電話番号や駅の名前、地名などの走り書きがしてありませんか?

家出人が男性の場合、見慣れない女物のハンカチが部屋にあったり・・・
また、彼女がいると聞いていないのに、風呂場やジュータンに長い髪の毛が落ちていたり・・・
食器棚に、ペアのカップが置いてあったり・・・
アルバムの中の写真が数枚なくなっていたり・・・

デジタルカメラなどが置いてあった場合には、計画的に家出をしたのではない限り、最近撮影した写真データが残っている可能性もあります。

また、本人宛に送られてくる郵便物は、差出人を確認し控えておきましょう。
たとえDMであっても重要な手掛かりになることもあります。

本当ならば、開封して中身を確認したいところですが、事件にでもならない限り、送られてきた本人でなければ基本的には開封は許されません。ここはグッとこらえて、差出人の確認にとどめておきましょう。

このように痕跡を探す作業には、ゴミを調べたり、部屋の中をじっくり観察するなど、過去にさかのぼって情報を収集する作業と、いなくなったと思われる場所から、どのような方法で移動したかなどを、考えられる限り考え、聞きとり調査をしていきます。

家出に関わったと思われる人がいたら、全員に足取りのヒントとなる情報がないかを聞きましょう。聞く内容については第3章で詳しくお話しますので、そちらを参考に、他にも聞きたいことがあれば追加してください。
聞きとり調査で大切なことは、全員に同じことを聞くことです。

このときには、本人の顔写真を持ち歩きましょう。
なるべく顔がはっきりと映っていて、極力最近撮った写真を選ぶようにしてください。写真は必須アイテムとなります。

こうした初期調査の80%は、過去の情報収集となります。
いずれにしても、家出をする前の生活を、1日単位で確認できるようすることは重要です。

時間が経てば経つほど、情報も記憶も曖昧になります。
本人の友人や知人にも、いち早く事情を説明して情報収集をしましょう。

ご家族で情報を共有し、まずは知り得る限りの友人・知人の連絡先を把握してください。<

聞き取り調査

聞き取り調査では、全員に同じことを聞きましょう。
知りたいことは、あなたがその方との会話から見つけ出さなければなりません。

「○○が夕べから戻ってきていないんだけど」

本人の友人や知人に、あなたがこう尋ねたとします。
すると、何でも相手からスラスラとしゃべってくれると思っていませんか?

「あー、夕べ遅くに電話があって、これから○○へ行くって言ってました。」

「そういえば、最近、何となく元気がなかったですね。職場の人間関係でも、かなり悩んでいましたよ。」

「そう言えば、最近、彼女と別れたって言ってました。」

などと、何でも向こうから答えてくれると思ってはダメです。
むしろ、家出の理由が家族への不満だったとして、本人が家出をするつもりだと友人に相談していた場合、家族に内緒にしてしまうことも考えられます。

情報を教えてくれる人は、黙っていても家出をした事実を知ったときに、情報を提供してくれます。

ですので、教えてくれない人に聞く場合には、情報を教えてもらうためではなく、情報を探ることが目的となります。
必要な情報は、あなたが会話の中から見つけなければならないのです。

友人・知人に聞き込みをする場合は、くれぐれも○○話法などといったテクニックに惑わされないようにしましょう。
そんな心理トリックは、一般的には通用しません。

聞き込みは、あくまでも本人がいなくなったことを広める役割と、証言者の矛盾点を探る以外に意味はないのです。

-いなくなってから1週間までにすること③ー

■いなくなった痕跡を探す!
*パソコンの中には情報が詰まっています。
・メールで事前に家出のためのやり取りをしているかも・・・
・サイトの閲覧履歴には、宿泊先となるホテルを検索して
いたり、不動産屋のサイトを見ていたかも・・・
*携帯電話を置いて行った・・・

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