第3章 いなくなってから3ヵ月までの行動

第2章では、いなくなってから1週間までにご家族がやるべきこと、やってはいけないことについてまとめました。

この章では、3カ月までのご家族の行動として、「友人、知人から情報を集めること」「足取りを追う」という2点についてお話をします。

ただし、第2章で書いた内容は、3カ月後も、1年後も重複することがほとんどですが、この頃には住むところや仕事も決まっている可能性があります。

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たとえば、最初の1カ月ぐらいは口座の動きが頻繁にあったとしても、仕事が決まれば動きが止まる可能性もあります。

いずれにせよ、日々の生活の中で、家出人について何か思い出したことがあれば、必ずメモをしておきましょう。
もちろん、その記憶の裏付けを取れるのであれば、早目に動きましょう。

とにかく、「必ず見つかる!」と心を強く持つことが大切です。
そのためには、不安になったときに聞いてもらえる相手を見つけておくことも大切です。

もちろん、私たちにお話ししていただいても構いません。心を強く持ち続けるためには、やはり支えになってくれる人がいるかいないかで、精神的な負担は大きく違ってくるからです。

家出や失踪は悲しく辛い出来事ではありますが、ご家族の方は、決してそのことを恥ずかしいことだと思わないでください。
そこには必ず原因があるのです。家出や失踪は、苦しんで悩んだ本人が取った切羽詰まった表現方法なのです。

たとえ発見できたとしても、家出したことを責めたのでは、また同じことを繰り返すだけです。

少しキツイ言い方をお許し頂けるのであれば、あなたがやるべきことは「あきらめないこと」に尽きます。

「必ず見つかる」「見つかってほしい」と願う気持ちは、見えないメッセージとなって、必ず本人にも届いていますし、その思いが協力者を呼び寄せます。

1カ月、2カ月と家出された方がいない生活が続くと、人間はだんだんとその生活に慣れてきてしまうものです。残されたご家族にも、現実の生活がありますので、それは当たり前ともいえます。

小さなお子さんのいる家庭では、ご主人がいなくなっても、奥様がいなくなっても、残された配偶者は、悲しんではいられないほど子どもを育てるという現実生活が待っています。

でも、あえて言わせていただくならば、絶対にあきらめないこと。
食事をしながらさり気なくテレビを見ているときに、ニュースなどで街頭インタビューをしている画面で、インタビューを受けている人の後ろを横切る人が映っています。その大勢の横切る人の中に、いなくなったご家族がいる可能性もゼロではありません。

しかし、現実生活に追われて、探す意欲もなくなっていたら、たとえ、テレビにあなたの配偶者やご家族が大きく映っていても見過ごしてしまうことがあるのです。

ですので、「必ず見つかる」と願ってください。
ご家族であるあなたがあきらめてしまったら、家出人を見つけ出すことはできないのですから。

友人、知人から情報を集めること

その1.友人、知人から情報を集めること

これまでにも、友人や知人から情報を集めることはしてきているはずですが、ここでは、少し掘り下げて、どんなことを聞くべきかをみていきましょう。

聞き取り調査のポイントは、第2章でもお話ししましたが、「同じことを全員に聞く」ということです。

相手が何でもしゃべってくれると思ったり、しゃべってくれたことがすべてだろうという思い込みは危険です。

聞き取りをする相手が、失踪者の親友や恋人であった場合、失踪者を裏切りたくないという思いから、有力な情報ほど漏らしてくれないことも多いからです。

また、あなたを含めご家族のかた全員で、時間を見つけて、失踪者の過去の行動や言葉を思い出してください。

「そういえば、高校のときに●●くんと行った●●のこと、楽しそうに話していたよねぇ・・・」

「去年行った●●で買ったアクセサリー、いつも大切にしてたよね」

「いつかお金が貯まったら、●●に行きたいって言ってたよね」

などといったことでいいのです。
小さなことでもいいので、できるだけ詳細に思い出してください。
そこから足取りが見えてくるかも知れません。

まず、失踪したときの服装や携帯しているであろう品物を推測すること。
これはいなくなった最初の段階で行っていることですが、それが推測であった場合は、その後も、何か手掛かりがあれば、改めて考え直す必要があります。
「●●だと思ったけど、もしかしたら●●かもしれない」という風に。
わからなければ、逆に残っている衣類などから、手元にないものを着て行っただろうと推測もできます。

これは、カバンや靴、手帳やアクセサリーにも同じことがいえます。ゲタ箱を再度確認してみたら、実は靴が2足なくなっていたなどということもあります。

いつもいなくなった家族のことを考えろというのも酷なことは百も承知です。しかし、小さなことでも調査を続けていく上で、大きな手掛かりになることもあるのです。

たとえ1カ月、2カ月と時間が経ったとしても、時間があれば聞き込みを続けていってください。

新しくわかった友人や知人がいれば、他の人にも聞いたことを、同じように質問してください。

以前に聞いた相手でも、「その後、何か●●から連絡はない?」「小さなことでも、何か思い出したことはない?」と聞いてみてください。

聞き取り調査をするときの質問事項

聞き取り調査をするときの質問事項は、以下を参考にしてみてください。

■趣味・特技
*何が好きで、どんなことに興味を持っていたか?たとえば、50代のサラリーマンの方が、奥様に内緒で社交ダンスを習っていたというケースや、高校生のお嬢さんが、自分のブログで詩を公開していたとか、家族も知らない一面があったりするものです。

■好きな土地・場所
*よく行っていた、もしくは行きたがっていた土地や場所、友人や知人と一緒に通っていた居酒屋やゲームセンター、ゴルフコースなど、家族は知らないが、家出人が好んでいた土地や場所などがあるはずです。
■交友関係
*失踪する直前に知り合った人などはいないのか?コミュニティサイトで出会った、サークルで出会った、飲みに行って出会った、どんな設定でも構いませんので、失踪する直前に出会った人がいないかを聞きましょう。インターネットなどで直前に出会った人の影響を受けていることも多いからです。

■会社関係
*失踪前に会社をやめたいと言っていなかったか?失踪前後に、同じ会社の同僚や先輩で、急にやめた人などはいないか?また、会社の中で誰かともめていたあり、誰かにいじめられたりしていたことはないか?

他にもこんな質問が考えられます。

■事件に巻き込まれた可能性はないか?
■最近、お酒を飲む量が増えていなかったか?
■借金を頼まれたことはないか?
■サラ金などにお金を借りていた様子はなかったか?
■急にブランド品などを持ち始めていないか?
■洋服やアクセサリーの趣味などが変わっていないか?
■無言電話がかかってきたことはなかったか?
■脅えたような様子はなかったか?
■歩いているときに急に立ち止まったり振り返らなかったか?
■電話を切った後、急に不機嫌になったことはないか?
■隠し事をしているような様子はなかったか?
■職場や学校で仲間外れにされていなかったか?
■自殺のニュースなどを真剣に見たり同情していなかったか?
■荷物をどこかに送った形跡はないか?
■家出をした後に連絡はなかったか?
■友人や知り合いに金持ちなどはいなかったか?

などが考えられます。

集めた情報の整理

集めた情報などは、きちんとまとめておきましょう。
聞き取りをした場所やこれから聞き取りをする場所などが、ひと目でわかるよ
うにしておくといいでしょう。

1冊のノートなどにまとめておくか、1つの情報を1つのメモに分けて書き、そ
れを模造紙のような大きな紙に貼っていくのもいいでしょう。ただし、持ち運
びを考えれば、ノートのほうが便利です。

また、地図に聞き取りに協力してくれた友人・知人の住む場所や、失踪者を見
かけた、失踪者と行ったことがある場所など、聞き取りで上がってきた場所に
印をつけておくのも、意外な手掛かりになることがあります。

たとえば、知人や友人が住んでいる場所には青で印をし、聞き取りで上がって
きた場所には赤で印をするなど、色分けしておけばよりわかりやすくなります。

最初は、まったく無関係のように見えていた交友関係も、情報を集めていくう
ちに、ある場所の共通点が見えてきたりもします。

-いなくなってから3カ月までにすること①ー

■友人、知人から情報を集める!
*同じことを全員に聞くこと
*小さなことでも詳細に思いだすこと
*「もしかしたら」と推測してみること

【注意点】
*集めた情報はノードなどにきちんとまとめておきましょう。
*相手が何でもしゃべってくれるわけではありません。
しゃべった内容がすべてだろうという思い込みは危険です。

その2.足取りを追うこと

ところで、第2章でもお話ししましたが、可能であれば通帳の記帳は続けてください。

口座にまったく動きがない場合は別ですが、いなくなって何カ月も経ったとしても、1週間に1度、月に1度でも口座に動きがある場合は、やはり記帳を続けていくことに意味があります。

彰男さんの母親の場合、1日3回、午前中とお昼、夕方に記帳をしてもらいました。時間帯と併せて、ATMの場所も重要な手掛かりです。

仮にいつも同じ場所で、決まった時間帯に引出されているのなら、そのATM周辺の張り込み調査で、時間帯を絞ることもできます。

また、いつも同じような時間帯に引き出されている場合は、その時間帯にしか引き出せないのかもしれません。つまり、仕事をしているとか、移動手段が限定されているということも考えられます。

さらに、いつも決まった時間帯に引き出されていたのに、急に引き出す時間が変わったりすれば、移動手段や生活状況が変化した可能性もあります。

家出人の移動手段を考慮した場合、なぜその時間帯に引き出したのか?を考えることで、いろいろなケースが推測できます。

引き出した時間が、バスや電車の時間と一致していたり、交通量や駐車場の空き時間に関係していたり・・・。これはあくまでも推測の枠を出ない情報ではありますが、調査に役立つ場合もあります。

通帳記帳をする

彰男さんの場合、口座の動きを見て、秋田から長野に移動したのがわかりました。しかも、家を出て数日間の間に移動をしていますので、定住先がある可能性は低いと判断できますし、今後も長野から移動する可能性は十分にあり得ると予測できます。

また、通帳を記帳してみると、いずれも引き出しにかかる手数料は引かれていません。ということは、彼の口座がある銀行の支店かATMから引き出された可能性がかなり高いということもわかります。

彼の場合、口座は都市銀行のものでしたので、長野県内になる支店なりATMを調べれば、かなり有力な手掛かりとなります。

また、長野でお金を引き出したときに、移動手段が車であると確信しました。
それまでは、「もしかしたら電車かもしれない」と一抹の不安もありました。

しかし、長野で引き出したATMは、あまりにも不便な場所にあったため、電車で移動しているとすれば、まさか駅から歩いていける距離ではありません。

だとすれば、電車で移動していると仮定した場合、駅からバスかタクシーを使って行ったとしか思えません。

では、駅からタクシーなどを使ったと仮定したら、なぜお金を引き出すためだけに、わざわざ駅からバスやタクシーを使ったのでしょうか?

こう仮定していくと、どうしても無理があります。やはり車で移動していると仮定するのが自然でしょう。

いずれにせよ、1日に数回通帳記帳をすることで、いろいろなことが見えてきます。失踪して1週間、2週間では見えないことも、数カ月という期間が経過していくと、このようなデータが意味をもちます。

いつも決まった時間帯に引き出されているのであれば、張り込み調査で家出人を発見できる可能性も高まります。

ですので、引き出された時間を単独で考えるのではなく、移動手段や地域、協力者の存在など、いろいろな情報を組み合わせることで、「なぜこの時間なのか?」という考え方をすると、いくつかの仮説を導き出すこともできます。

ここで大切なことは、あきらめないということです。

大切な人がいなくなって最初の1週間、2週間は緊張や不安もありますし、あきらめではなく「早く見つかってほしい」という願いの気持ちが強いのですが、1カ月、2カ月と経過していくと、「早く見つかってほしい」という気持ちの背後に、「もしかしたら見つからないのでは?」という気持ちが支配してきます。

数多くの調査をする

行方調査は100通りの調査を行い、1つヒットすればよいとされているくらい、数多くの調査をすることが重要です。
何がヒットするかは、あくまでも結論でしか語れない部分もあります。

「この方法を取れば、必ず見つかる」という絶対的な法則はありません。
絶対的な法則があるとすれば、いかに集めた情報の中から推測し、仮説を立てて動けるかどうかとういことです。

たとえば、聞き取り調査などから、「もしかしたらここへ行ったのかも」という場所が浮かび上がってきたと仮定します。

もし、あなたがその土地を訪れたとして、まったく知らない土地だった場合、自分で車を運転したとしたら、標識などを頼りにしませんか?

目的地はわかっているものの、見知らぬ土地で、手には地図しかなかった場合、そこに載っている建物や交差点の名前などを目印にしませんか?

知らない土地なので当然でしょう。何も目印のないところをあえて選ぶ人は少ないはずです。
その点で、目印の究極は「駅」です。

彰男さんの場合も、調査の依頼を受けて11日後、「秋田市にいる。心配しないで」と彼から電話が入りました。

調査員をすぐに秋田に向かわせました。
現地に到着した調査員は、すぐに秋田駅周辺の聞き取りをしました。
そこで、彰男さんらしい男性を目撃したという情報を得たのです。
情報提供者は、タクシーの運転手でした。

移動手段は、車や電車、高速バスなどいろいろ考えられます。
できるだけ多くの情報を集め、その中から推測し、あらゆる仮説を立てていくことが大事です。

-いなくなってから3カ月までにすること②ー

■足取りを追う!
*通帳の記帳を続けていく
引き出された時間帯により、失踪者の行動を推定する
ことができるので、なるべく1日に2回、3回と可能な
限り通帳記帳をすること
*「この方法を取れば、必ず見つかる!」という絶対的な
法則はない。いかに集めた情報の中から推測し、仮説を
立てて動けるかどうかがカギとなる

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